使い捨てカイロと違って何度でも使える充電式カイロ。冬キャンプや車中泊の防寒に便利な一方、検索窓には「危険」「発火」「デメリット」といった不安の言葉が並びます。
先に結論を言うと、危ないのは「カイロ」ではなく中のリチウムイオン電池です。そして厄介なことに、「PSE認証済み」と書いてあっても第三者機関が検査したとは限りません(後述)。この記事では公的機関の一次資料だけを使って、何が本当のリスクで、どこを見て選べばいいのかを整理します。
時間がない人へ(迷ったらコレ):サンワダイレクト 400-TOY052W(日本メーカー・PSEマークと届出事業者名を明記・ヒーターと電池を別層に配置した設計・約2,980円)。キャンプや釣りで濡れる場面があるならOCOOPA UT4 Urban(防水等級IP45を明記した数少ないモデル)。
※本記事のスペックは各メーカーの公称値、価格は2026年7月時点の実勢です。7月は充電式カイロのオフシーズンにあたり、在庫・価格ともに冬季とは大きく変動します。最新の状況は各リンク先でご確認ください。
まず結論:7モデル比較表
| モデル | 容量(公称) | 温度(公称) | 重量 | モバイルバッテリー | 実勢価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| サンワダイレクト 400-TOY052W | 4,800mAh | 3段階 40/45/50℃ | 約123g | あり(最大19W) | 3千円弱 |
| アイリスプラザ オーバル | 記載なし | 表面約42℃ | 約124g | あり | 2千円弱 |
| エレス e-Kairo Carré 25 | 2,000mAh | 約42℃ | 約64g | なし | 3千円弱 |
| plus more PBAEA002 | 2,000mAh | 2段階 40/50℃ | 約85g | なし | 2千円弱 |
| OCOOPA UT4 Urban | 6,000mAh | 3段階 | — | あり | 5〜6千円 |
| OCOOPA UT3 Lite Plus | 2,500mAh×2 | 3段階 37〜52℃ | 65g/個 | あり | 7〜8千円 |
| HIRO HKR-01 | 4,800mAh | 2段階 44/55℃ | 約119g | あり | 3千円強 |
「危険」の正体は、カイロではなくリチウムイオン電池
最初に、正直に書いておきたいことがあります。「充電式カイロの事故は年間◯件」という公的な統計は存在しません。
消防庁が2026年1月に公表したリチウムイオン電池火災の調査結果では、製品が18分類に分けられていますが、その中に「カイロ」「ハンドウォーマー」という項目はありません。電熱系で独立しているのは「空調調整服」だけで、充電式カイロは「その他」に埋没しています。ネット上で見かける「充電式カイロの事故が急増」という書き方は、出典をたどると電池搭載製品全体の数字であることがほとんどです。
では実際の事故はどうか。消費者庁が2024年12月に公表した注意喚起には、充電式カイロそのものの事故事例が載っています。
「充電式カイロ充電後、ポケット使用中に発煙。その後発火して溶融」
(消費者庁「リチウムイオン電池使用製品のトリセツ」2024年12月5日)
この注意喚起によれば、「暖をとる製品」の事故は2014年4月〜2024年9月で68件。内訳は電熱ウェア等が35件(51.5%)、電熱グローブ等が15件(22.1%)、電気ブランケット等が7件(10.3%)です。件数としては決して多くありませんが、ゼロではないし、実際に発火しているというのが正確な現状です。
「使っていないときも燃える」というデータ
もう一つ、知っておくべき数字があります。東京消防庁が2026年7月に発表した2025年の集計では、リチウムイオン電池由来の火災は382件で過去最多。そして注目すべきはその内訳です。
- 充電中に出火:174件
- 充電も使用もしていない待機中に出火:143件
つまり充電していないときの出火が全体の約4割を占めます。「使うときだけ気をつければいい」という話ではなく、保管の仕方まで含めてリスクだということです。ポケットに入れっぱなし、車内に置きっぱなしは避けたほうがいい理由がここにあります。
なお、寒さで発火しやすくなると思われがちですが、公的機関が繰り返し警告しているのは「高温」のほうです。NITE(製品評価技術基盤機構)の集計では電池事故のピークは6〜8月で、消防庁もモバイルバッテリーの出火原因の上位に「高温下での使用」を挙げています。冬に性能が落ちること自体はありますが、火災リスクという意味ではむしろ夏の車内放置のほうが危険です。
PSEマークの落とし穴:「認証済み」=第三者が検査した、ではない
充電式カイロを選ぶとき、多くの記事が「PSE認証済みを選びましょう」と書いています。これは正しいのですが、PSEの仕組みを誤解したまま安心してしまうと意味がありません。
そもそも充電式カイロはPSEの対象なのか
経済産業省のモバイルバッテリーに関するFAQには、「カイロ」が名指しで登場します。
「LED照明やカイロなどの単純で付加的な機能があったとしても、主たる機能が外付け電源として用いられるものはモバイルバッテリーとして扱い、対象。」
(経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」Q.3)
整理するとこうなります。
- モバイルバッテリー機能付きの充電式カイロ → スマホに給電できる=外付け電源が主機能とみなされ、PSEの対象
- 単機能の充電式カイロ(給電機能なし) → FAQ上、モバイルバッテリーとしては対象外
エレス e-Kairo Carré 25 や plus more PBAEA002 にPSEマークの記載がないのは、違法だからではなく、モバイルバッテリー機能を持たないからと考えるのが自然です。
本題:PSEは「自己確認」が原則
ここが最も誤解されている点です。同じFAQには、こう書かれています。
登録検査機関による第三者検査は義務ではない(事業者の自己確認が原則)
つまり「PSE認証済み」という表記は、多くの場合メーカー自身が「基準を満たしています」と申告しているだけです。第三者のお墨付きとは限りません。だからこそ、マークだけでなく「誰が届け出たのか」を見る必要があります。
購入前に本体で確認したい4点
- 丸形のPSEマーク(モバイルバッテリーは「特定電気用品以外」なので丸形。菱形ではありません)
- 届出事業者名——ここが空欄や不明瞭な製品は避ける
- 定格電圧
- 定格容量
この4点は本体外側への表示が原則です。小さくて困難な場合のみパッケージ表示が代替として認められています。通販の商品画像で本体を確認できない製品は、それ自体が一つの判断材料です。
なお、PSEの規制自体は2018年2月1日に開始し、経過措置が終わったのが2019年1月31日。それ以降、無表示品の販売はできません。
「日本製」は存在するのか——公式サイトが答えている
「充電式カイロ 日本製」「日本メーカー」という検索が多いのは、ここまで読めば当然だと思います。発火が怖いから、信頼できる作りのものが欲しい。
ただ、「日本ブランド」と「日本製」は別物です。
これを確認するのに一番わかりやすいのが、日本ブランドの代表格エレス(東京・1977年設立)です。同社は公式サイトの仕様表に、e-Kairoシリーズ全モデルの「製造国:中国」を自ら明記しています。隠しているわけではなく、正直に書いている。
Francfrancの2025年モデルも公式プレスリリースで原産国は中国と記載されています。国内製造の充電式カイロを探すのは、現実にはかなり難しいというのが実情です(「日本国内製造品は存在しない」と断定できる一次資料は見つかりませんでしたが、主要な日本ブランドはいずれも中国製造です)。
では何を見るべきか
製造国そのものより、「日本の法人が責任を負っているか」のほうが実用的な判断軸になります。
- 届出事業者名が日本法人として明記されている
- 問い合わせ窓口・保証窓口が国内にある
- 廃棄のときに正規ルートで回収してもらえる(後述のJBRCの話に直結します)
サンワサプライ、エレス、ヒロ・コーポレーション、ライフオンプロダクツ、アイリスオーヤマ、ニトリはいずれも日本法人です。中国メーカーでもHAGOOGIのように日本法人を置いている例はあります。
低温やけど:42℃で6時間、50℃なら3分
発火の次に多いトラブルが低温やけどです。ここには具体的な数字があります。
「低温やけどは、心地よいと感じる温度(40度〜50度程度)のものに長時間皮膚が接することで起こります。50度なら3分間の圧迫、42度でも6時間接触すれば細胞が変化するという報告があります(国民生活センター調べ)」
(消費者庁「子ども安全メール」Vol.11・2010年11月25日)
この数字を、実際の製品スペックと突き合わせてみてください。
- エレス e-Kairo:公称 約42℃ ——「42度で6時間」のラインとほぼ同じ。カバー越しでも長時間の圧迫は危険
- 一部の海外EC製品:最高65℃を謳う製品が実在 ——「50度で3分」の領域を大きく超えています
さらに注意したいのが、公称値どおりとは限らないという点です。テスト誌『LDK』の検証では、総合1位に選ばれたHIRO HKR-01が最高64℃を記録しています(公称は55℃)。性能が高いこと自体は評価点ですが、高温タイプを選ぶなら「肌に直接当てない・同じ場所に長時間当てない」は前提条件だと考えてください。
とくに就寝時。消費者庁は湯たんぽについて「厚手のタオルや専用カバーで包んでも、長時間触れることで低温やけどを起こすおそれがある」と明記しています。寝袋の中に入れたまま眠るのは、カバーの有無にかかわらず避けるべきです。
失敗しない選び方3つのポイント

1. 本体の表示4点を確認する
前述のとおり、丸形PSEマーク・届出事業者名・定格電圧・定格容量。商品ページで本体表示が確認できない製品は候補から外す——これが一番効く足切りです。
2. 温度は「高いほど良い」ではない
50℃を超えるモデルは確かに暖かいですが、低温やけどのリスクと表裏一体です。手で握って使うなら42〜47℃前後で十分。ポケットに入れる、衣類の上から当てるといった使い方なら、むしろ低めの設計のほうが安心して長時間使えます。
3. モバイルバッテリー機能の要否を決める
家や通勤で使うだけなら、給電機能は正直なくても困りません。むしろ単機能のほうが軽く、構造もシンプルです。ただしキャンプ・車中泊では話が逆転します(次章)。
【当サイト的本題】キャンプ・車中泊では「モババ兼用」が正解になる
充電式カイロのレビュー記事では「モバイルバッテリー機能はなくてもいい」という結論をよく見かけます。日常使いを前提にすれば、これは妥当な評価です。
ただしフィールドでは前提が変わります。
冬キャンプや車中泊では、持ち込める電力量そのものが有限です。そこで「暖房」と「充電」を1台が兼ねるなら、荷物が1つ減るうえに手持ちの電力を融通できる。5,000mAhクラスならスマホを1回ちょっと充電できる計算で、これは非常用として意味のある容量です。
- カイロ本体の充電はポータブル電源から——消費電力はごくわずかなので、ポータブル電源の容量を気にせず何度でも充電できます
- モバイルバッテリーを別に持つなら、カイロは単機能・軽量モデルにして役割を分けたほうが総重量は軽くなります
- 電熱ベストや電気毛布と併用するなら、カイロは指先・ポケット担当と割り切るのが効率的です
つまり「モババ機能が要るかどうか」は、他に何を持っていくかで決まる。単体レビューでは出てこない結論です。
そして繰り返しになりますが、夏場の車内放置だけは絶対に避けてください。公的統計が示すリスクのピークはそこにあります。
おすすめ7選
1. サンワダイレクト 400-TOY052W|迷ったらコレ
2026年1月発売の最新機種。PSEマークと届出事業者名が明記されており、前述の「表示4点」をきちんと満たします。4,800mAhで3段階(40/45/50℃)、最大19WのUSB-C給電に対応。ヒーターとバッテリーを別層に配置した設計で、電池への熱の回り込みに配慮されている点が構造的な安心材料です。約2,980円という価格も良心的。
2. アイリスプラザ 充電式カイロ オーバル|最安でPSE認証
約1,870円という価格でPSE認証という、コストパフォーマンス面では最も現実的な選択肢。表面温度は約42℃と控えめな設計で、低温やけどのリスクを抑えたい人にも向きます。屋内で約7時間、寒い屋外でも3〜4時間の連続使用(公称)。「まず一つ試したい」ならここから。
3. エレス e-Kairo Carré 25|約64gの最軽量・単機能
日本ブランドのエレス(東京・1977年設立)による定番シリーズ。約64gは今回の比較で最軽量で、ポケットに入れても存在を忘れる軽さです。約42℃の1段階設計・LEDライト付き。給電機能を持たない単機能モデルなので構造がシンプルで、軽さ優先のソロキャンプ装備と相性がいい枠です。なお同社は公式仕様で製造国が中国であることを明記しています。
4. ライフオンプロダクツ plus more PBAEA002|約1,980円・約85g
2025年8月発売の新モデル。約85gの軽さで約1,980円という価格が魅力です。2段階(40/50℃)で強なら約3時間、弱なら約6時間(公称)。こちらも単機能タイプ。日本のメーカー(ライフオンプロダクツ)が展開しており、価格と軽さのバランスを取りたい人向けです。
5. OCOOPA UT4 Urban|防水等級を明記した数少ないモデル
今回調べた中で防水等級IP45を明記していた唯一のモデル(加えてUL認証も取得)。6,000mAhの大容量で最大9時間の連続使用(公称)。雪・小雨・結露にさらされるキャンプや釣り、雪かきといった屋外作業では、この防水性能が効いてきます。アウトドア用途を主目的にするならこれが第一候補。
6. OCOOPA UT3 Lite Plus|2個分離・公称に忠実な発熱
2,500mAh×2個のマグネット分離式で、1個あたり65g。両手を同時に温められて、片方を人に貸すこともできます。ITmediaが外気温1.3℃の屋外(冷たいベンチにタオルを敷いた上)という過酷な条件で行った実測では、レベル3設定(公称48〜52℃)に対し49.7℃を記録——同記事の比較対象の中で最も公称値に忠実でした。価格は7〜8千円台とやや高めです。
7. HIRO HKR-01|検証誌で総合1位。ただし高温には注意
テスト誌『LDK』の充電式カイロ検証で総合1位(A評価)を獲得した実力機。4,800mAhで2段階(弱約44℃/強約55℃)、約119g。ヒロ・コーポレーション(日本)の製品です。
ただし正直に書いておくと、同じ検証で最高64℃を記録しています(公称55℃)。速暖性と発熱力の高さは大きな長所ですが、肌に直接当てない・就寝時は使わないという使い方が前提になるモデルです。
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品揃え豊富なアウトドア総合通販「ナチュラム」なら、冬キャンプの防寒ギアやキャンプ用品をまとめて比較・購入できます。
無印・ニトリ・フランフラン・ロフト・スリコ・ドンキの取り扱い状況
量販店・雑貨店の名前で探している人がとても多いので、各社の公式サイト・公式ECを実際に確認した結果を正直にまとめます。結論から言うと、5社中2社しか現行品を確認できませんでした。
- 無印良品:ありません。 公式ネットストアで「カイロ」を検索すると0件(使い捨てカイロを含めて1点もヒットしません)。2008年に「充電式ポケットカイロ」を販売していましたが終了済みです。公式の要望窓口IDEA PARKには2022年・2024年と繰り返しリクエストが投稿されていますが、商品化には至っていません。探しても見つからないのは、そもそも売っていないからです
- ニトリ:現行品は1点だけ。 「使い捨てないカイロ」(デコホーム・約1,790円・3,000mAh・約45〜50℃・約85g・モバイルバッテリー機能なし)が在庫ありでした。⚠️注意したいのは、よく紹介されている「手のひらに収まる充電式カイロ WK01/WK02」(3段階45/50/55℃)と「充電式ネックカイロ」が、いずれも公式ページで販売終了になっている点です。 他サイトで現行品として紹介されていることがあるので、購入前に必ず公式で在庫を確認してください
- ロフト:あり。 エレスの「イーカイロカレ ライト機能付」(約2,970円・2,000mAh・約64g・LEDライト連続約14時間)が在庫ありでした。本記事で紹介しているエレスの軽量モデルを店頭で実物確認して買いたいなら、ここが確実です。なおロフトの他の充電式カイロは軒並み掲載終了していました
- Francfranc:商品はありますが、確認時点では全色が品切れ(2025年モデル・定価3,980円・5,000mAh・原産国中国)。デザイン性は随一なので、シーズンインを待つ価値はあります
- ドン・キホーテ:はっきりしません。 型番(HKM-PHWP-PK/IV)が同社の公式ドメイン上に存在することは確認できましたが、価格・スペック・在庫を掲載した公式の販売ページが見つからず、プライベートブランド「情熱価格」のカタログを「カイロ」で検索しても0件でした。ネット上には価格や温度の情報が出回っていますが、公式には裏付けが取れません。店頭で実物とPSE表示を確認するのが確実です
- 3COINS:確認できませんでした。 「カイロ」「電熱」とも検索0件で、公式の冬物家電特集にも掲載がありません(掲載されているのはヒーター・USB電気ブランケット・蓄熱式湯たんぽなど)。なお同社の「エコカイロ」は金属チップを押して発熱させ煮沸で再生するタイプで、充電式ではありません
繰り返しになりますが、7月は充電式カイロの完全なオフシーズンです。選択肢が最も広がるのは10月以降なので、急ぎでなければ待つのも手です。
捨て方:自治体に出す前にJBRCの落とし穴を知っておく
充電式カイロは、燃えるゴミにも不燃ゴミにも出せません。リチウムイオン電池が内蔵されているためです。なおすでに膨らんでしまっている場合は、回収ボックスそのものが使えません(JBRCが膨張品を回収対象外と定めています)。その場合の行き先は膨らんだモバイルバッテリーはどう捨てる?自治体・メーカー別の正解で、5自治体の公式案内を比較して整理しました。
環境省の資料(2026年5月)によれば、リチウムイオン電池が原因の廃棄物処理施設等での火災事故等は令和6年度で9,923件(発煙を含む発生件数は23,068件)。被害も深刻で、宇都宮市では令和4年に被害総額55億円・市のごみ処理能力の約7割を喪失し、市長が非常事態として市民にごみの5割削減を要請する事態になりました。
同資料は発火しやすい品目の傾向をこう記しています。
「小型で安価なもの、表面がプラスチックのものが多い。ユーザーが見た目から危険性や適切な分別区分を把握しにくいことが原因」
充電式カイロはこの記述にそのまま当てはまります。
正しい捨て方と、知られていない落とし穴
小型充電式電池の回収窓口は一般社団法人JBRCで、協力店の回収BOXに、金属端子を絶縁テープでふさいでから出します。
ただし重要な落とし穴があります。JBRCが回収するのは会員企業の製品だけです。 非会員企業の製品は、協力店に持ち込んでも回収してもらえません。つまり無名ブランドの安価な製品を買うと、正規の廃棄ルートが存在しないという事態が起こり得ます。
自治体回収も万全ではなく、令和6年度に回収を実施しているのは1,345市区町村(77.3%)。約2割の自治体は未対応です。
もう一つ、環境省資料にある実践的な知見を。
「充電状態が高いリチウム蓄電池は、低いものに比べて衝撃が加わった際に激しく発火する傾向。不要になったものは充電を使い切って廃棄することが火災事故防止に効果的」
捨てる前に使い切る。これは今日から実践できます。
よくある質問
Q. 膨らんできたのですが、まだ使えますか?
A. 使わないでください。リチウムイオン電池の膨張は内部でガスが発生しているサインで、発火・破裂の前触れです。充電をやめ、可燃物から離した場所に置いて、速やかに回収に出してください。
Q. 充電しながら使ってもいい?
A. 取扱説明書で禁止しているメーカーが多いので、まず自分の製品の記載を確認してください。東京消防庁のデータでは充電中の出火が174件と最多です。発熱と充電を同時に行えば負荷は当然大きくなります。
Q. 飛行機に持ち込める?
A. リチウムイオン電池内蔵製品なので預け入れ手荷物ではなく機内持ち込みが原則です。容量によって制限が変わるため、利用する航空会社の規定を事前に確認してください。
Q. 何年くらい使えますか?
A. リチウムイオン電池の宿命として充電を繰り返すほど劣化します。エレスは充電約300回を目安として公表しています。使用時間が明らかに短くなったら買い替えの時期です。
Q. 使い捨てカイロとどちらが得?
A. 1個30円前後の使い捨てカイロに対し、充電式は2千〜3千円台。単純計算では約100回で並びます。毎日使うなら1シーズン強で元が取れますが、充電の手間と発熱の立ち上がりでは使い捨てに分があります。ゴミを出したくない、繰り返し使いたいという動機のほうが本質的な選択理由です。
まとめ
- 危ないのはカイロではなくリチウムイオン電池。公的統計に「カイロ」という品目自体が存在しないので、「事故が年◯件」という数字には注意
- 東京消防庁のデータでは、充電も使用もしていない待機中の出火が約4割。保管の仕方までがリスク管理。とくに夏の車内放置は厳禁
- 「PSE認証済み」は第三者検査済みという意味ではない(自己確認が原則)。丸形PSE+届出事業者名+定格電圧+定格容量の4点を本体で確認する
- 「日本製」はほぼ存在しない(エレスは公式に製造国中国と明記)。見るべきは製造国より、日本法人が責任を負っているかと廃棄ルートの有無
- 温度は高いほど良いわけではない。42℃で6時間、50℃で3分が低温やけどの目安。就寝時の使用は避ける
- キャンプ・車中泊ではモババ兼用が正解になる——日常使いのレビューとは結論が逆転するポイント
- 迷ったらサンワダイレクト 400-TOY052W、屋外重視ならOCOOPA UT4 Urban
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