夏が終わって出しっぱなしのハンディファン。「もう使わないから捨てよう」と思って調べ始めると、サイトによって書いてあることが違うことに気づいたのではないでしょうか。
実際、割れています。同じハンディファンが、住んでいる市によって「燃えるごみ」になったり「燃えないごみ」になったりします。この記事では各自治体の公式案内を実際に引用して、その割れ方を整理します。
そして、捨てる前に必ず確認してほしいことが2つあります。とくに1つ目は、知らずに捨てると損をします。
※本記事は2026年8月時点の各社・各自治体の公式情報に基づいています。制度や案内は変わるため、実行前に必ずお住まいの自治体で最新をご確認ください。
まず結論:捨てる前に確認するのは2つだけ
| 確認すること | なぜ必要か | 該当したら |
|---|---|---|
| ① 自主回収の対象品ではないか | 対象品は捨てるのではなく回収に出す。商品代金相当が戻ってくる | メーカーの受付フォームへ |
| ② 充電池を本体から取り外せるか | 外せるかどうかで出し先が変わる。自治体の案内はここで分岐している | 下の自治体別の表へ |
この2つを済ませてから、自治体のルールを見に行くのが最短です。
① 捨てる前に「自主回収の対象」でないか確認する
意外に知られていませんが、ハンディファンには現在進行形で自主回収がかかっている製品があります。
Francfranc(フランフラン)が2025年10月23日に公表した、「フレ スマートハンディファン(2025年製)」の自主回収です。公式のお知らせにはこう書かれています。
このたび、弊社が2025年3月から6月まで販売いたしました「フレ スマートハンディファン(2025年製)」につき、商品不良(充電ICの不具合による動作不良や発熱など)の発生率が高い状況にあることから、関係省庁との協議を踏まえ、対象商品を自主回収することといたしました。
「関係省庁との協議を踏まえ」とあるとおり、消費者庁のリコール情報サイトにも掲載されている案件です。
対象かどうかは「製造ロット番号」で決まる
ここが最も間違えられているポイントです。ネット上には「F25で始まるものが対象」という要約が出回っていますが、公式が挙げているのは特定の番号だけです。
公式の対象製造ロット番号は次のとおりです。
F250404 / F250505 / F250606 / F251212 / F252020 / F252121 / F252222
B250505 / B250606 / B250707 / B250808
- 番号は商品本体および個箱の裏面に印字されています
- 2024年製は対象外で、そのまま使えます
- 対象商品を持っている場合は、まず使用を中止してください
「返金」ではなく「QUOカード」、そして店舗では受け取ってもらえない
ここも要注意です。公式には「商品回収の確認後、商品代金相当のQUOカードを送付させていただきます」と書かれています。現金の返金ではありません。
そして手順にも制約があります。
- 申込は専用サイトから(回収キットが送られてくる方式)
- 回収キットの発送は申込から2週間〜1か月以内の予定
- 🔴 「店舗では回収は行っておりませんので、ご留意ください」(公式原文)
- 問い合わせ専用フリーダイヤル 0120-23-0255(10:00〜20:00・土日祝含む)
「フランフランの店舗に持っていけばいい」と思って足を運ぶと無駄足になります。
なお公式は、「本件の不良に起因した内蔵のリチウムイオン電池への影響はございません」とも明記しています。電池が危険になっているわけではなく、充電IC側の不具合という説明です。
⇒ 自分のハンディファンがFrancfrancのものなら、捨てる前に裏面のロット番号を見てください。対象なら、捨てるとその分だけ損をします。
② 充電池を本体から取り外せるか
自治体の案内を読み比べて分かったのは、ほぼすべての自治体が「電池を外せるかどうか」で説明を分岐させているということです。
理由は火災です。神戸市の公式FAQはこう説明しています。
携帯型扇風機をはじめ、リチウムイオン電池が使用されている製品は、ごみの収集時・処理時に強い力がかかると発煙・発火し、ごみ収集車やごみ処理施設の火災につながるおそれがあります。
練馬区も同じ趣旨で、しかも効果が出ていることまで書いています。
区はリチウムイオン電池等の充電式電池を含む製品を容器包装プラスチックではなく、不燃ごみの日に別袋で出していただくよう周知してきました。区民の皆さまのご協力により資源化施設での火災の件数は減少しました。
電池を外せるなら外す。外せないなら、外せない前提の出し方をする。これが全国共通の考え方です。
🔴 同じハンディファンが、市によって「燃えるごみ」と「燃えないごみ」に分かれる
ここが本題です。3つの自治体の公式案内を並べます。言っていることが違います。
| 自治体 | 本体の出し方(公式案内) |
|---|---|
| 神戸市 | 「燃えないごみ(小型家電リサイクルボックス)」。「できるだけ小型家電リサイクルボックスをご利用ください」、難しければ「地域で決められたクリーンステーションに、燃えないごみで」 |
| 練馬区 | 「不燃ごみへ」。「ごみとして出す場合には、不燃ごみの日に、他の不燃ごみと別の袋でお出しください」 |
| 尼崎市 | 電池を外せる場合:本体は20cm未満なら「燃やすごみ」/20cm以上50cm未満なら「金属製小型ごみ」。外せない場合:家庭ごみ案内センターに収集を申し込むか、認定事業者の有料回収 |
(出典:神戸市FAQ/練馬区/尼崎市「ご注意を!ハンディファン・空調機能付き服・携帯用酸素スプレーの捨て方」)
神戸市では「燃えないごみ」、尼崎市では(電池を外せば)「燃やすごみ」。同じ兵庫県内でも正反対です。さらに尼崎市だけが20cm・50cmというサイズ基準を持ち込んでいます。
そして尼崎市は、こう強く念を押しています。
※火災事故防止のため、絶対に小型充電式電池がついたまま「燃やすごみ」や「金属製小型ごみ」に出さないでください。
国も「市町村ごとに違う」と言っている
これは各自治体が勝手にバラバラなのではなく、制度上そうなっています。小型家電リサイクル法の案内として政府広報オンラインが掲げているタイトルが、そのものずばりです。
使用済み小型家電のリサイクル「お住まいの市町村の分別ルールに従い、正しくリサイクルを」
⇒ ハンディファンの捨て方に、全国共通の正解はありません。この記事を含め、ネット上の「ハンディファンは◯◯ごみ」という断定は、どこかの自治体の話でしかないと考えてください。最短ルートは、お住まいの自治体名+「ハンディファン」または「携帯型扇風機」で公式サイトを検索することです。
家電量販店に持っていけば済む、とは限らない
「家電量販店の回収ボックスに入れればいい」と考えている方は多いと思います。ただ、「電池だけ」と「製品まるごと」で扱いがまったく違います。
電池だけを外して出す場合(無料の道がある)
外した充電池は、JBRC(一般社団法人JBRC)のリサイクル協力店に置かれた回収ボックスへ持ち込めます。ただし尼崎市の案内は、対象をこう限定しています。
製品から取り外した小型充電式電池のうち、リサイクルマークが記載されており膨張していないものは、リサイクル協力店の回収ボックスへ持ち込むこともできます。
つまり「リサイクルマークがある」「膨張していない」の2条件を満たす必要があります。無名ブランドのハンディファンだと、この条件を満たさないことがあります。
出すときは電極部分にテープを貼って絶縁するのが共通の作法です(神戸市・練馬区・尼崎市いずれも明記)。
製品まるごとを持ち込む場合(有料のことがある)
こちらは「小型家電リサイクル」の枠になります。ヤマダデンキの小型家電リサイクル回収の案内には、次の注記があります。
※ 料金は店頭お持込の際の料金となります。
※ 小型家電リサイクル法の対象品に限ります。
※ 沖縄県の店舗では受付をいたしておりません。
「料金は」と書かれているとおり、製品まるごとの引き取りは有料です。無料の回収ボックスと同じ感覚で持って行くと、話が違うことになります。料金や取り扱いは店舗・時期で変わるので、行く前に店舗へ確認してください。
宅配で引き取ってもらう道もある(有料)
自治体によっては、国の認定事業者による宅配回収を案内しています。尼崎市が挙げているのはリネットジャパンリサイクル株式会社で、公式にはこう説明されています。
リネットジャパンリサイクル株式会社は「小型家電リサイクル法」の認定を受け、宅配便による回収を行っているリサイクル事業者です。回収サービスは有料となりますが、パソコン本体を含む回収については、1回につき1箱分の回収料金が無料となります。
⇒ パソコンを一緒に処分する予定があるなら、ハンディファンを同じ箱に入れると実質無料になるという抜け道があります。覚えておくと得です。
膨らんでいる・熱を持っているハンディファンは、別扱い
本体が膨らんでいる、押すとぶよぶよする、充電中に異常に熱い――この状態なら、通常の捨て方をしてはいけません。
練馬区は、膨張した製品について別の手順を定めています。
膨張した充電式電池を含む製品を出す際は、管轄の清掃事務所、各リサイクルセンター、または資源循環センターにお持ちいただくか、不燃ごみ収集日に収集をしている職員に直接手渡ししてください。
「袋に入れて出す」ではなく「人に手渡す」という指示です。それだけ危険だということです。
膨張したリチウムイオン電池製品の扱いは、膨らんだモバイルバッテリーはどう捨てる?で、JBRCの規定や他自治体の指示まで詳しくまとめています。ハンディファンでも考え方は同じなので、膨らんでいる場合はそちらを先に読んでください。
「捨てる」の前に、まだ使えるなら
シーズンの終わりに壊れていないハンディファンを捨てるのは、正直もったいない選択です。捨てる以外の道もあります。
- 来シーズンまで保管する:満充電でも空でもなく、半分程度の残量で涼しい場所に置くのがリチウムイオン電池にはやさしい保管です。夏の車内など高温の場所に置きっぱなしにするのは最悪の保管です
- リユースに回す:地域のリユース窓口やフリマアプリ。ただし自主回収の対象品を売りに出してはいけません(①で確認した理由です)
そして「壊れたから捨てる」の場合、次に選ぶときの基準が変わります。今回のFrancfrancの件が示しているのは、ハンディファンの故障は充電まわりで起きるということです。
質問データを見ても「安全なメーカーはどこか」「日本製で安全なものはあるか」という問いが多く、価格より安全性で選び直す人が増えています。買い替えるなら、PSEマークの意味や冷却プレートの安全性まで踏み込んだハンディファンおすすめ7選を参考にしてください。
よくある質問
Q. ハンディファンは何ごみですか?
A. 住んでいる自治体によって違います。神戸市は「燃えないごみ(小型家電リサイクルボックス)」、練馬区は「不燃ごみ(他の不燃ごみと別の袋)」、尼崎市は電池を外せば20cm未満で「燃やすごみ」です。必ずお住まいの自治体の公式案内を確認してください。
Q. ヤマダ電機で回収してもらえますか?
A. 小型家電リサイクル回収を行っている店舗はありますが、公式に「料金は店頭お持込の際の料金となります」「小型家電リサイクル法の対象品に限ります」と明記されており、製品まるごとの引き取りは有料です。沖縄県の店舗では受付していません。一方、取り外した充電池だけなら、JBRCのリサイクル協力店の回収ボックス(リサイクルマークあり・膨張していないものに限る)が使えます。
Q. Francfrancのハンディファンは全部が回収対象ですか?
A. いいえ。2025年3月〜6月に販売された「フレ スマートハンディファン(2025年製)」のうち、公式が指定した製造ロット番号のものだけです。2024年製は対象外です。番号は本体・個箱の裏面にあります。
Q. 電池が本体から外せません。どうすればいいですか?
A. 無理に分解しないでください。リチウムイオン電池は傷つけると発火します。尼崎市のように「外せない場合は収集を申し込む」という受付窓口を設けている自治体があるので、まず自治体に電話するのが安全です。
Q. 乾電池式のハンディファンはどうすればいいですか?
A. 乾電池(非充電式)は充電池と扱いが違います。神戸市は「乾電池は抜いて、電極にテープを貼ってから、燃えないごみで出すか、公共施設に置いてある『電池類回収ボックス』に入れてください」としています。本体だけになれば、通常の小型家電として扱えます。
Q. なぜここまで面倒なのですか?
A. ごみ収集車と処理施設の火災を防ぐためです。神戸市は「強い力がかかると発煙・発火し、ごみ収集車やごみ処理施設の火災につながるおそれ」と説明し、練馬区は分別の周知によって「資源化施設での火災の件数は減少しました」と成果を報告しています。手間の理由がはっきりしている珍しい分野です。
まとめ
- 捨てる前に確認するのは2つ:①自主回収の対象品でないか ②充電池を外せるか
- Francfranc「フレ スマートハンディファン(2025年製)」は自主回収中。対象は公式が挙げた製造ロット番号のみで、2024年製は対象外。戻ってくるのはQUOカードで、店舗では受け付けていない
- ハンディファンの捨て方に全国共通の正解はない。神戸市=燃えないごみ、練馬区=不燃ごみ(別袋)、尼崎市=電池を外せば20cm未満は燃やすごみ。国(政府広報)も「お住まいの市町村の分別ルールに従い」と案内している
- 家電量販店は万能ではない。製品まるごとの持ち込みは有料のことがあり、無料で出せるのは取り外した電池(リサイクルマークあり・膨張していないもの)
- 膨らんでいるものは袋に入れず、職員に手渡す(練馬区の指示)
- 迷ったら、自治体名+「ハンディファン」または「携帯型扇風機」で公式サイトを検索するのが最短
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